リハビリテーション科
特色
リハビリテーション医療は、病気による障害に取り組む新しい医療であり、患者さんを総合的に捉え、障害による社会的不利に対処します。
対象疾患は骨折、変形性関節症、関節リウマチ、四肢切断、脳卒中後遺症(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)、脊髄損傷および脊髄疾患、呼吸循環器疾患や手術後、長期臥床による廃用症候群など様々です。
リハビリテーション科では、臓器別の治療にとらわれず、「全身を診る」観点から、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が一丸となり、患者さんが入院前の生活へ戻れるように取り組んでいます。
そのために私たちは、
① 患者さんの「全身」を視野に入れ、「病気」ではなく「病人」を診る姿勢で治療を行います。
② 患者さんの機能と能力を最大限に回復するために、入院早期から治療を始めます。
③ 入院中の低活動は体力をむしばむため、ベッドで寝たまま過ごす「安静臥床」を極力排除するように努めます。
例えば、手術治療のため入院した患者さんには、担当医師と連携して、手術の翌日からリハビリテーション治療を行います。合併症があり、手術のリスクが予想される患者さんには、術前からリハビリテーション治療を行うこともあります。
脳梗塞や肺炎などで入院した患者さんには、担当医師と連携して、入院の翌日からリハビリテーション治療を開始して、座る練習や食べる練習などを行います。脳の病気で麻痺が強く、自身では歩けない患者さんに対しては、装具を用いた歩行訓練を行います。
当院には、急性期の治療を終え、機能回復のためにリハビリテーション治療を集中的に受けることができる「回復期リハビリテーション病棟」が6階にございます。
ここでは1日最大3時間のリハビリテーション治療と24時間の手厚い看護を受けることができます。また、入院中に介護保険申請や各種サービスの調整などを通して、在宅への復帰に向けた支援が可能です。
障害を持つ患者さんが活き活きと暮らしていくために、リハビリテーション医療をお役立ていただけましたら幸いです。
検査・設備・治療法
- 理学療法
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運動療法とは
運動療法とは、理学療法士が行う治療のひとつで、身体の様々な障害に対して運動を手段として行うことによって、その障害の改善や維持を図るものです。
運動療法は、骨折・脳血管障害・糖尿病など様々な疾患の方々が対象となります。
筋力トレーニング・関節可動域エクササイズ・歩行練習などが運動療法です。
運動療法の効果は筋力が増強したり、関節の動く範囲が増えたりします。物理療法とは
物理療法も理学療法士が行う治療のひとつです。
ホットパック・パラフィン浴の暖める効果(温熱療法)や低周波などの電気刺激(電気療法)または牽引療法などが物理療法となります。
効果は痛みを和らげたり、血行を改善したりとすることができます。ADLとは
ADLとは、日常生活活動のことをいいます。
食事をする動作・トイレをする動作・歩くことや階段昇降などの日常生活で必要な動作はたくさんあります。
骨折や脳血管障害などが起こるとこれらの日常生活に必要な動作が行いにくくなってきます。
その行いにくくなった動作を改善するために、運動療法や物理療法を行って治療していきます。 - 作業療法
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機能的作業療法
徒手や作業療法を通して、身体機能の維持・改善を図ります。
日常生活動作訓練
食事・入浴・更衣などの身辺動作や家事動作の獲得への練習および指導訓練を行います。
また、利き手交換の訓練や自助具の考案・作製も行います。高次脳機能訓練
失行や失認といった高次脳機能障害に対しての治療・訓練をします。
心理支持的アプローチ
障害による精神活動の低下や不安を和らげたり、生きがいの再獲得を図ります。
住環境整備
退院後の生活のあった家屋改造や福祉用具の助言や指導を行います。
- 言語療法
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言語訓練
失語症、構音障害などで、コミュニケーションに問題が生じた方に対し、検査や訓練、助言を行います。
患者様一人一人に応じた訓練を行い、コミュニケーションが摂りやすくなるよう援助していきます。
また、言語の問題以外に、失行、失認といった高次脳機能障害に対しての訓練を行っています。摂食・嚥下訓練
脳血管障害などによって、食べたり、飲み込んだりすることがうまくできなくなった方に対し、飲み込みの訓練や、食べやすい食事内容、食べ方の指導を行います。
また、摂食・嚥下訓練では医師の指導のもと、嚥下造影検査(VF)を行うなど、より安全に食事できるように取り組んでいきます。