消化器内科
特色
最近は消化器疾患患者が増加の一途をたどり、昨年(平成22年度)に当科を受診された患者様は、新規外来患者数747名、年間入院患者数は794名に至りました。
当科では、消化管の病院(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸の潰瘍性病変、腫瘍、炎症、静脈瘤など)、肝臓の病気(肝炎、肝がんなど)、胆嚢・胆管の病気(胆石、胆のう・胆管腫瘍など)、膵臓の病気(膵炎、膵腫瘍など)を診させて頂いております。
専門医による迅速で確実な診断、治療、地域の病院や診療所の先生方との綿密は連携を心がけており、院内では看護師、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士、理学療法士、事務とも協力して、きめ細やかな医療を提供したいと心がけております。
尚、当科は日本消化器内視鏡学会指導施設、日本消化器病学会関連認定施設です。和歌山県立医大消化器内科からの応援を頂いており、また、和歌山県立医大から多くの研修医が勉強に来られております。
業績(学会発表など)につきましては「各科業績」をご覧ください
特色
内視鏡検査(胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査)については、苦痛のない検査を心がけており、御希望により鎮静剤を用いた麻酔をさせて頂いております。
当院は内視鏡センターを有し、胃・食道・大腸の早期がんの早期発見、および治療に重点をおいており、これらの早期がんが発見された場合には、短期間の入院で可能な侵襲の少ない内視鏡治療(ESD:内視鏡的粘膜切開剥離術、EMR:内視鏡的粘膜切除術)を行います。出血性胃潰瘍、食道静脈瘤破裂、胆石による胆嚢炎、総胆管結石による胆管炎につきましても、24時間体制で緊急処置を対応しております。内視鏡を使用して様々な治療手技を行っており、内視鏡的食道ステント挿入術、内視鏡的胃瘻造設術、胆管ステント挿入術、胆道ドレナージ術を行っております。
慢性肝炎についてですが、C型慢性肝炎に対して、ペグインターフェロン・リバビリン治療、インターフェロン治療、瀉血治療などを行っております。B型慢性肝炎に対して、核酸アナログ製剤(エンテカビル)の治療を行っております。肝硬変患者では栄養治療も重視しており、患者様・御家族の方を対象に無料で肝臓病教室を2カ月に1回行っております。原発性肝がん・転移性肝がんに対して、造影超音波を併用して肝腫瘍ラジオ波焼灼療法を施行しております。状況に応じて、外科や放射線科と協力し、肝動脈塞栓化学療法併用、全身麻酔による腹腔鏡併用、開腹併用による治療を行っております。肝がんの進行度によっては、分子標的薬(ソラフェニブ)による治療も行うことがあります。
治験
非アルコール性脂肪肝炎の治験について
あなたの肝臓の健康につながることを始めてみませんか?【無症状の肝臓病「NASH」】
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診療内容
- 急性肝炎(A型/B型/C型/E型/EBウイルス/サイトメガロウイルス)
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎/クローン病)
- 慢性肝炎(B型/C型/自己免疫性肝炎/原発性胆汁性肝硬変/脂肪性肝炎など)
- 肝細胞がん
- 肝良性腫瘍
- 転移性肝がん
- 胆石症
- 胆道がん
- 膵炎
- 膵がん
- 逆流性食道炎
- 食道がん
- 食道・胃静脈瘤
- 胃・十二指腸潰瘍
- ヘリコバクターピロリ感染症
- 胃がん
- 胃ポリープ
- 大腸がん
- 大腸ポリープ
- 急性腸炎
- 消化器寄生虫疾患
など、上記の一例以外にも診療しております。
主な検査・医療設備等
- 内視鏡検査
一般スクリーニング検査から早期がん、大腸ポリープ等に対する内視鏡治療を行います。
ハイビジョン画質による通常光観察に加え、粘膜表層の毛細血管や粘膜微細模様を強調表示する narrow band imaging; NBI の特殊光観察機能を搭載した LUCERA SPECTRUM を導入しました。
写真:オリンパス社製ハイビジョン対応電子内視鏡システム(LUCERA SPECTRUM) /上部:H260・H260Z・Q260、下部:H260AZI・H260 AL/I ・Q260AL/I、側視鏡:JF260V0- 腹部エコー検査
腹部臓器(肝臓/胆嚢/膵臓/脾臓/腎臓/膀胱/尿管/消化管等)を検査します。
また肝腫瘍性病変に対してはソナゾイドという超音波検査用造影剤を使用し精査します。
ラジオ波焼灼治療においては、治療専用に特殊な穿刺用エコープローベを導入し、治療精度の向上を図っております。
東芝製Aprio、Nemio
スタッフ紹介
部長川口 雅功
- 略歴:所属学会等
- 平成06年03月 香川医科大学医学部卒業
- 日本内科学会
- 日本消化器病学会
- 日本肝臓学会
- 日本消化器内視鏡学会
- 日本超音波医学会
- 日本静脈経腸栄養学会
- 日本温泉気候物理医学会
- 日本肝癌研究会
- 認定資格等
- 日本肝臓学会専門医・指導医
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本消化器病学会認定 専門医・指導医
- 日本消化器内視鏡学会指導医 専門医・指導医
- 臨床研修指導医
- 日本静脈経腸栄養学会認定医
- 和歌山市医師会胃がん検診読影委員会委員
- 和歌山県肝疾患認定審査会委員
医師田端 康人
- 経歴・所属学会等
- 平成26年 大阪医科大学医学部 卒業
- 令和3年 日本内科学会
- 専門分野
- 消化器内科一般
医師山崎 博史
- 経歴・所属学会等
- 平成31年 和歌山県立医科大学 卒業
検査・治療実績 令和2年度(2020/4-2021/3)
上部消化管内視鏡 | 1344例 |
下部消化管内視鏡 | 581例 |
腹部超音波検査 | 2453例 |
食道・胃内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) | 14例 |
大腸内視鏡治療(ポリープ切除術) | 144例 |
内視鏡的逆行性胆膵管造影 | 6例 |
内視鏡的胆管チューブ留置術 | 33例 |
内視鏡的乳頭切開術 | 12例 |
食道静脈瘤硬化療法、結紮術 | 8例 |
内視鏡的胃瘻造設術 | 28例 |
肝腫瘍ラジオ波焼灼/マイクロ波凝固療法 | 19例 |
肝生検 | 16例 |
学会
川口雅功,英 肇,市野浩美ら | NST介入を行った肝硬変症例の検討と今後の課題 日本臨床代謝栄養学会近畿支部学術集会 《2021.9.18》 |
川口雅功、山崎博史、高木 陽ら | 当院のCOVID-19患者における血清亜鉛値についての検討 日本内科学会近畿地方会 《2021.12.4》 |
研究会
川口雅功,英 肇 | COVID-19患者における血清亜鉛値の検討 日本亜鉛栄養治療研究会 《2021.8.7》 |
川口雅功,酒井亮太,藤本和浩ら | 腹水濾過濃縮再静注を行った非代償性肝硬変患者の腹水中亜鉛量についての検討 第23回日本亜鉛栄養研究会 《2022.2.5》 |
講演会
川口雅功 | 超音波による肝細胞癌の診断 HCC EXPERT Meeting in 和歌山 《2021.12.2》 |
川口雅功 | あらためて考える便秘治療-慢慢性便秘症、肝硬変と便秘- 第2回便秘治療を考える会 《2021.12.9》 |