耳鼻いんこう科
特色
耳鼻いんこう科は、現在常勤医師はいませんが、週2回(月曜・水曜の午前)の外来で、中耳炎、難聴、耳鳴り、めまい、顔面神経麻痺、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、扁桃炎、声帯ポリープなど声帯の病気、甲状腺腫瘍を初めとする頸部腫瘍などの耳鼻咽喉科疾患を、和歌山県立医科大学と連携をとりつつ、診療を行っています。
耳鼻咽喉科からのお知らせ
患者のご紹介は随時受け付けております。
当院地域連携室にご連絡いただき予約を取っていただければ幸いです。
診療内容
みみ
- 急性中耳炎、滲出性中耳炎
- 急性中耳炎は突然耳を痛がる、発熱、みみだれ(耳漏)がでるなどの症状を示します。
特に子供の場合、耳と鼻をつなぐ管(耳管)の傾きや太さの違いから鼻水がでているなど上気道の炎症がある場合引き続き中耳にも炎症を起こすことが多くみられます。
最近抗生剤の効きにくい細菌(耐性菌)の増加により、抗生剤を処方されていても治りにくい、重症化する中耳炎も増えてきています。
滲出性中耳炎では痛みは伴いませんが鼓膜の後ろの部屋(中耳腔)に滲出液が貯留することで音の伝わりが悪くなり聞こえが悪くなります。
起炎菌を確定させ有効な薬を使う治療、難治性の場合には、鼓膜切開や鼓膜にチューブを留置する手術をおこなうことで改善します。 - 難聴・めまい
- 突然起こる突発性難聴、めまいや耳鳴を伴うメニエール病、加齢に伴う老人性難聴などは神経性難聴といって聞こえの神経が弱ることが原因で聞こえが悪くなります。
病気の種類によって点滴治療、補聴器のフィッティングなどをおこないます。
また、聴こえの神経は問題ないが音の伝わりが悪い場合もあります(伝音性難聴)。
鼓膜に穴が開いている、中耳に炎症がある、音を伝える骨(耳小骨)に異常がある、など原因はさまざまです。
これらの場合手術により聴力が回復する可能性があります。
めまいにも難聴を伴うもの、難聴はないがめまいだけが起こるものがあります。
聴力検査、CT、MRI検査などをおこない治療方針を決定します。 - 顔面神経麻痺
- 突然顔の片側の動きが悪くなります。
脳に問題がない場合は耳鼻咽喉科での治療が必要です。
ウイルスが原因であるときには抗ウイルス薬などを併用した点滴の治療を行ないます。
麻痺の程度が重症、点滴での改善が小さいときには手術治療を併用して顔面神経の回復を助ける治療を行ないます。
はな
- アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎
- 近年ハウスダスト・ダニなどが原因で1年通して症状が続く通年性アレルギー性鼻炎や季節性の花粉症が増加しています。
治療は抗アレルギー剤を中心とした内服治療や点鼻薬を用いた局所療法を中心におこないます。
血液検査によるアレルギーの原因の検索やCTによる副鼻腔炎の評価を行い治療方針を決定します。
当科では内視鏡を用いた鼻内副鼻腔手術をおこなっています。
のど・くび
- 睡眠時無呼吸症候群
- いびきがひどく、昼間眠気が強かったり、睡眠時間のわりに全身倦怠感がある場合睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
この病気は眠りが浅くなり疲労が取れないばかりではなく、高血圧や狭心症、脳血管障害のリスクファクターになるとされ、睡眠時無呼吸症候群であるだけで寿命が短くなるという報告もあるほど放置すれば恐ろしい病気です。
当科では夜間の無呼吸発作の頻度を調べる検査を1泊入院でおこなっています。
のどの形や症状の強さに応じて手術治療や持続陽圧呼吸療法装置(nCPAP)による治療を おこなっています。 - 頸部の腫瘍
- 耳鼻科では頸部の腫れ(腫瘤)についても精査、治療を行ないます。
炎症によるもの、先天性のもの、他に原発巣があり転移病変として頸部のリンパ節が腫れているもの(頸部のリンパ節が腫れてくる場合耳鼻科で診察する領域に原発巣がある場合が多いです)、良性、悪性の腫瘍などの可能性があります。
扱う臓器としては、リンパ節、甲状腺、耳下腺、顎下腺などです。
当科ではCT,MRI、頸部エコー検査、シンチグラム、針生検などを行い治療方針を決定します。